人と生き物について

先日まとめサイトでハムスターをUFOキャッチャー出来るゲームセンターが

炎上し、話題になった。

その店は批判を受けてそのUFOキャッチャーを撤去したという。

その問題について朝の情報番組で扱われているのを見た。

 

コメンテーター曰く

・伊勢エビのUFOキャッチャーなら許されるのか?

・いや時代の流れたし縁日の金魚すくいも止めるべき。

・じゃあ釣りは?

・食べるから良いんじゃないか。

 

結局、「これを機会に生き物をどう扱うかを考えよう。」

という結論で番組は終わった。

 

最近は東京湾トラフグが繁殖しているニュースがあった。

このトラフグは神奈川県水産技術センターが放流した稚魚が成長した可能性があるらしい。

放流した稚魚の数は約3万尾(2015/6/9)

日本はカミツキガメを始め、帰化する可能性のある生き物の輸入、飼育を禁じているが

食べ物になる生き物であれば元来生息していない地域にトラフグの稚魚を放流しても良いらしい。

 

人間は生き物で遊ぶのが大好きな生き物だ。

カエルや鈴虫の声を愛でたり

フナを人工的な交配を重ねて鮮やかな金魚にしたり

鯉の血統を管理して高値をつけたり

豚肉をより美味しく食せるように改良したり

より早く走る馬を作ったり

愛玩用の犬を作ったり(ブルドッグ - Wikipedia

 

自らの手で環境を積極的に変化させ、生き物の姿を作り変えてきた人間が

この期に及んで「ハムスターのUFOキャッチャーは可愛そうだから止めましょう。」

という事に違和感を感じる。

 

 

この世界の片隅に

俺はこの映画に何を期待していたのだろう。

戦時中の映画で広島の話しなのだから

大体のストーリーは想像ついたろうに。

大切な人が不条理に死んでいくのは事前に想像出来たろうに。

こういう重くて悲しい作品は苦手なのに。

 ネットで絶賛されているからつい観に行ってしまった。

 

すずが色々と生活を工夫していくのは楽しかったけど。

鬼畜米英許すまじ!

とも思ったし

そもそも何でこんな戦争始めた!

とも思った。

 

でもそうだよなー。

戦争映画ならこういう話しになるよなー。

という感じ。

NHKが作った映画みたいに感じた。

 

ただ呑気に生活をしている間に本土空襲は近付いて来て、

いざ空襲が始まったらそれまでどこか他人事だった戦争が

目の前に立っていて、あっという間に大切な人を、肉体を、優しい世界を奪っていく。

穏やかな心もあっという間に荒んでいく。

という過程を表現しているのは凄い。

はだしのゲンもそうだけど、辛いなぁ。

 

今も中東で同じ事が繰り返されているのを考えると

ホントに人間は滅んだ方が良いと思うよ。

 と、思いつつものうのうと生きてるけど。

 

テアトル新宿で観たのだけど満席で立ち見のお客さんも。

立ち見する程楽しい映画じゃないと思うけどなぁ。

Life Is Strange

ロールプレイングゲームは中学生の頃に

聖剣伝説2をやったきりしていないが

一緒にやろうと言ってくれた人がいたのでやってみた。

ゲームの内容は芸術系の高校に通うマックスが

ひょんな事から時間を巻き戻せる能力を手に入れる。

そして親友クロエと5年ぶりの再会を果たすがクロエの様子は以前と全く変わっていた。

同じ高校の女子生徒の失踪をクロエと追い掛ける内に事件に巻き込まれていく。

という話し。

 

地味で真面目なマックスに対し正反対のクロエが魅力的だった。

向こう見ずでワガママですぐに人に責任を擦り付ける。

でも失踪した友人の為にアツくなったりして。

 

面倒臭い奴なのにどこか放っておけない。

 

思春期の繊細な不安定さとその時期にしか

感じられない新鮮な空気の匂いを画面から感じた。

アンニュイな雰囲気の音楽もそんな年齢にあっている。

製作者は思うにオッサンなのだろうけど

良くこんな雰囲気を作れるな、と思う。

不安定な自分と周囲の人間関係や未来を

持て余した時期は歳を取ると忘れてしまう。

 

何で女子二人が主人公なんだろう、と考えた時

宮崎駿が少年を主人公にしないのは

自身の敗北してきた過去を思い出してしまうから、

という様な事を言っていたけどそれは海外でも同じなのだろうか。

ゲームユーザーは男性が多いから女性キャラに

幻想というか妄想を抱きやすいのだろうとも思う。

 

でも身近にいる実際の思春期中の女子の闘争心と

反発心はクロエの20倍はありそう。

 

自分に自信が無い分他人にも厳しいし、

でも、主人公達が少年キャラの場合はより上下の序列が厳しいし、

暴力的になりすぎてしまうのだろう。

 

製作者は男嫌いなのか?

悪夢のシーンでマックスを探すのが

全員男キャラなのは何故なのだろう。

 

それでも感じの悪い同級生の内面の自信の無さや、

イジメっ子の知られざるプレッシャーが描かれているのは

そのキャラクター達を身近で魅力的にしてくれた。

 

ラストまでプレイして思うのはマックス不憫過ぎるよ。

良い子なのに。

俺はネイサンやビクトリアと同じ様に嫉妬したり

反発したりで同級生をそこまで強く想えないよ。

 

マックスとクロエの関係は誰も傷つかない皆の願望、幻想だと思う。

 

後半の悪夢の中でクロエとの鮮やかな思い出が

マックスの前に現れるけどそこまで想う相手が

いる学生時代を過ごしたかった。

 

でもそれを美しく思うのは皆どこかで

マックスとクロエの様な関係を築きたいと

思っているんだな。

 

あとポンピドゥーって犬の名前、

良いセンスしてる。

紙の月

とにかく宮沢りえがエロかった。

幸薄そうな雰囲気、醸し出すフェロモンが半端ない。

皆が見たかった宮沢りえがここにある!

不貞相手の池松荘亮がクソ羨ましい。

今後池松荘亮の名前を見る度に、宮沢りえの不貞相手…。って思う。

 

銀行に勤める宮沢りえが池松荘亮に出会ってから

横領し始めるのだけど色気と知性溢れる

宮沢りえが見下げ果てた女に見えてきます。

いや、そういう役柄だけど。

このまま破滅へ一直線かと思ったけど

そうなるのか!

というラストで見て良かった、というお得感がある。

なんか見下げ果てた小悪党が

実は思っていた以上の闇を抱えた悪党だった感。

 

あり得ないっしょ。

とは思うも宮沢りえの濡れ場見れたから良いや。

と思う僕は映画の中に出てくる

イヤらしい中間管理職と何も変わらない。

 

まー、宮沢りえをただの小悪党には出来ないよね。藤みね子ばりに悪党ですよ!

噂に聞いてた大島優子の熱演も納得。

医療用大麻ダメって言うけどさ。

管理と処方の仕方の問題なんじゃないかな。

って思う。

 

母を胃ガンで亡くしたけど

目の前にいる母が苦しんでいた時、

自分が母に手を掛けてでも楽にさせてやりたかった。

 

勿論、処方の量を間違えて患者が苦しい思いをしてしまったら本末転倒だけど。

 

なにがなんでも違法だからダメ!

って言っている人達は末期ガンで余命もあと少しという人に

多少の快楽を与える事をそんなに頭ごなしに

拒否出来るのか?

 

健康な人の「傲慢さ」ではないのか?

 

処方の量がある程度調整出来るのなら、

苦しんでいた母の痛みを少しでも和らげたい。

こんな風に思うガン患者の家族は多いはずだ。

終わらない人 宮崎駿

「これは生命に対する冒涜ですよ。」

怒りを身体中から発しながら宮崎監督は言う。

画面に映し出された蠢く人。

人工知能が作った人間だ。

 

人工知能だからその人間の様なモノは頭を頭として動かそうとせず、

痛覚のないその体を前に進ませる。

結果、想像出来ない様な動き方をする。

体を這いずらせて頭を手のように使って前に進む。

 

これをゾンビ映画に使ったら気持ち悪くて面白い、

と嬉しそうに紹介するドワンゴの川上さんに宮崎さんは怒った。

川上さんは宮崎さんに新しい技術を紹介したかっただけだ。

 

でも宮崎さんは毎朝ハイタッチする身体障害者の友人に

その映像を重ね、怒る。

 

コミュニケーションが微妙に噛み合っていないけど、

僕はそこで怒る宮崎さんが好きだ。

 

"美しい物"を描きたい。

その"美しい物"が表面的な物ではなくて

純度の高い物に思えて。

 

色んなスタッフの才能を食い潰して描く

その美しい物をもっと観たいと思う。

 

「気付かないだけで世界は美しいって言うこと伝えたいんだよね。」

テロは無くならないし、排外主義が高まる世の中で

こんな風に言える人はなかなか居ない。

秒速5センチメートル

体調が悪くて体が動かないのでhuluで鑑賞。

 

 

観始めた時には

「あ~男がウジウジと昔の女引きずってメソメソしている話か。

そんなのは俺だけで十分なんだよな。

そんな自分が嫌いだし、そんな奴が主人公の映画なんて観たくもねーや。」

と思っていました。

 

実際その通りだったんですけど。

でも案外思っていたよりも湿っぽくもなく(湿っぽいことは湿っぽいけど)楽しめました。

 

そりゃーあんだけ想いが深ければ湿っぽくもなるでしょーな。

という感じ。

 

中学生で不慣れな電車乗りついで寒い雪空の中で文通している女の子に会いに行くってさ。

リア充先取りしすぎでしょ。

どんだけ恋愛体質なんだと。

 

僕が中学生の時には体の大きい同級生に殴られて泣いて

そいつが先生に怒られて殴られているのを見てまた泣いて

なんとか良い高校に行こうって受験勉強していた頃ですよ。

 

つらい。

 

でもやっぱりその頃の悔しさがマグマの様に残っているから

現在頑張れてるところもあったりする。

 

だから本作の主人公の気持ちも自己憐憫のロマンチスト野郎なんて言えないし

「君の名は」よりも近くに感じました。

「君の名は」の方が好きだけど。

 

2話のコスモナウトで鹿児島の女の子が、

片思いをしている相手である彼が見ているのは自分以外の誰かだ、って気付くシーン。

悲しいけれど綺麗でした。

なんで自分に興味のない人を好きになってしまうのかな。僕たちは。

 

でも好きだった過去の人をいつまでも想ってしまうというのは仕方ないよね。

男女の仲でもお互いがお互いをきちんと見つめ続けるってどの位の期間なんだろう。

 

何時の間にか自分の理想を押し付けていたり、自分の事しか見えなくなっていたり、

現代の生存競争を生き抜くための仕事ばかりを追い掛けてしまったり。

なんて事を考えたりしました。

 

でも同時に思ったのは、会社辞めてビール飲んで

タバコばっかり吸ってウジウジしてると、

 

ハゲるよ?

 

ハゲで無職は恋愛市場での価値が下がって一生独身の可能性もゼロじゃないよ?

ホントに過去の思い出の中でしか生きられなくなるよ?

 

髪の毛あるうちに就活と婚活を根性出して頑張ろうな、

って過去の自分に言いたい。

 

ちょっと湿っぽいイメージで敬遠していたけれど観て良かったです。

面白かった。