ファンタスティックビーストと魔法使いの旅

全体的に見ていて楽しかった。

世界観や魔法動物の造形や各キャラクターのファッションも見ていて楽しい。

 

ただ、もう少し各キャラクターの内面を何らかの方法で表現して欲しかった。

 

主人公のキャラクターがあまり見えなかった。

動物愛護精神を語ってくれるのはいいけど世界(というか欧米)の動物愛護のトレンドを語らせてるようにも思えて、もっとオリジナルな何で魔法動物の保護に至っているのかを表現してくれないとイマイチ彼に乗れない。

そしてコワルスキーの魅力て結局何処なのだろう。

良い奴なのは分かるけどセクシー美女が彼に惚れる位の何か、というのが見えなかった。彼女の心を読む能力があるからそこは観客でイメージして、ということかも知れないけど。

 

今後魔法使いと人間との関係がどうなるのかは気になる。

魔法使いてXmenのミュータントみたいだけどどういう風に人間と折り合いを付けていくんだろう。

ただ、人間をノーマジとかマグルとか言うのは何か差別意識を感じてしまったりするな。そういう世界観だから仕方ないけど。

 

正直魔法使いは移動も人間を記憶を消すことも出来るのでは闘いのアドバンテージが大きすぎないか。

 

それでも何だかんだ言って最後のカットでコワルスキーが照れた笑顔でクレジットに入るのがスゴく好きだ。

あれだけてで良い映画見た、と思える。

ああいうのが見たいよね。現実は世知辛い事ばかりだから。

声の形

全く楽しめなかった。

共感も出来なかった。

 楽しくて共感させるような映画じゃないけどさ。

 

露悪的過ぎるのでは?

小学生でも耳の聞こえない相手にあそこまでやる奴いるのか。

 

よしんばやるよう奴があそこまで自分を責めて

反省したりするのか?

僕の周りには居なかった。

 

僕は苛めるより苛められる事が多かったし

守ってくれる奴もいたけど何か下に見られている感じがして胸の中でフラストレーション溜め込んでそれを引き摺って今も生きているからなのか、正直この映画を終わるまで見ているのが辛かった。

 

命を助けたからって苛められた側の親が苛めた側の親に土下座とかあり得るか?

 

苛めた奴と友達になりたいって嘘だろ?

自殺しようとした人間に更なる暴力暴言てクズ過ぎない?

将也君、最低だよ。ってお前何様?

 

ラストカットの泣き顔とかもマジでキモい。

顔面殴りたくなるよ。

苛めた奴も苛められた奴も美男美女て。

 

考えさせられるーって感想聞くけど大人になって社会に出ても苛めや差別なんてそこら中に転がっているのに何見て生活してるんだろうか。

自分は差別も苛めもしてないつもりか?

おめでてーな。

ドクターストレンジ

面白かった。

予告でインセプションの様に時空がよじれてビルが倒れて行くのを見て

映画館で観ようと思ったけど映画館で観て正解でした。

 

インセプションの様な大規模な特撮CGは大画面で観てこそだし、

トレインスポッティングの様な狂った色彩美も脳を刺激してくれます。

合間合間のコミカル演出も楽しくてストーリーより絵力と緩急のあるテンポで攻めて来ます。

 

 マッツ・ミケルセンのムダ使い問題。

存在感のある役者なのでもっと美味しい役をやらせてあげて欲しいなぁ。

存在感がありすぎて逆に使いにくいのかな。

でも拘束具のシーンはマッツも楽しそうに演じてて良い。

現場で楽しんでいる感が伝わってきます。

 

師匠役の中性的な女性はナルニア国物語の魔女役の方だったのですね。

穏やかに笑いながら主人公を超常現象の世界に叩き込んだり

ヒマラヤに置き去りにしたり

時には微笑みながら困った表情を見せたり

奥行きのある表情が印象的。

美しすぎて、人ならざる者という雰囲気があります。

 

しかし闇の力というのが一回観ただけではよく分からなかったし、映像ばかりに目が行ってキャラクターの名前が覚えられません。

 ラスボスとの決着の仕方は新しいな、と思ったけれど。

でも今回のラスボスはアベンジャーズが戦ったどんな敵より怖くないか。

少年ジャンプの悪役インフレ問題はここでも蔓延っている気がします。

 

トレインスポッティングって作品名出したから思ったのだけど、今回のストーリーって有能な外科医が事故の後遺症で心を病んで旅先のヒマラヤでドラッグに出会ったって話の方がシックリ来るのは僕だけですか。僕だけですね。

そのキメちゃった世界を観ているのが楽しいのだけれど。

 

 

 

ラストの、新たなヒーロー誕生!

で終わるのもマーベルファンとしては分かる。分かるんだけど、正直そのテンプレート飽きてきた。

 

そのテンプレートの黒人がなかなか主役になれない問題。

ドクターストレンジにはモルドが

キャプテン・アメリカではファルコンが

アイアンマンではローディ中佐が

 

黒人は永遠に白人のパートナーもしくはセカンドポジションなのかなぁ。

 

ドントブリーズ

評判が良いので観に行きました。
事前に予告を見た上での予想では
・結局逃げ切る。
・皆死ぬ。
・別にラストに希望は無くてプロットのインパクト勝負。
でした。

俺はまた評判に引っ張られて自分の好みではない映画を選んで後悔してしまうのではないか、という不安も。

 

haruhumi.hatenablog.com

見終わってからの感想は、面白かった。
予想は7割り当たってました。


爺さん強すぎる。
盲目の退役軍人の家に盗みに入った盗人3人の視点から見たら恐ろしいジジイだけど、
爺さんの視点から描いたらデアデビル

 

序盤のワンカット何回練習したんだろうか。
このワンカットでこの映画は信用出来そうって思いました。

 

そしてスポイト(笑。
糸引いとるやんけって笑っちゃうけど怖い。

 

共感できるけどズレてる部分が無いと、デアデビルが頼れる相棒の犬と

盗人を撃退した胸熱ニュースにしかならないから、

ああいう変態性が無いと金づちでぶん殴る理由は生まれないよなぁ。

 

でもズレてしまう原因も悲しい。
本当に諸悪の根源はこの3人だよ。
肉体的にも精神的にも光を失った老人の最後の宝を3人のボンクラが盗みに行く話。

 

でも爺さんが怖くて観ていて映画ラビリンスのあいつが飛び道具持ってる!って思いました。

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基本的にホラーは見ないのだけど
映画館を出た後の解放感はたまらなかった。
この解放感の為に皆ホラー見るのかな。

 

 

人と生き物について

先日まとめサイトでハムスターをUFOキャッチャー出来るゲームセンターが

炎上し、話題になった。

その店は批判を受けてそのUFOキャッチャーを撤去したという。

その問題について朝の情報番組で扱われているのを見た。

 

コメンテーター曰く

・伊勢エビのUFOキャッチャーなら許されるのか?

・いや時代の流れたし縁日の金魚すくいも止めるべき。

・じゃあ釣りは?

・食べるから良いんじゃないか。

 

結局、「これを機会に生き物をどう扱うかを考えよう。」

という結論で番組は終わった。

 

最近は東京湾トラフグが繁殖しているニュースがあった。

このトラフグは神奈川県水産技術センターが放流した稚魚が成長した可能性があるらしい。

放流した稚魚の数は約3万尾(2015/6/9)

日本はカミツキガメを始め、帰化する可能性のある生き物の輸入、飼育を禁じているが

食べ物になる生き物であれば元来生息していない地域にトラフグの稚魚を放流しても良いらしい。

 

人間は生き物で遊ぶのが大好きな生き物だ。

カエルや鈴虫の声を愛でたり

フナを人工的な交配を重ねて鮮やかな金魚にしたり

鯉の血統を管理して高値をつけたり

豚肉をより美味しく食せるように改良したり

より早く走る馬を作ったり

愛玩用の犬を作ったり(ブルドッグ - Wikipedia

 

自らの手で環境を積極的に変化させ、生き物の姿を作り変えてきた人間が

この期に及んで「ハムスターのUFOキャッチャーは可愛そうだから止めましょう。」

という事に違和感を感じる。

 

 

この世界の片隅に

俺はこの映画に何を期待していたのだろう。

戦時中の映画で広島の話しなのだから

大体のストーリーは想像ついたろうに。

大切な人が不条理に死んでいくのは事前に想像出来たろうに。

こういう重くて悲しい作品は苦手なのに。

 ネットで絶賛されているからつい観に行ってしまった。

 

すずが色々と生活を工夫していくのは楽しかったけど。

鬼畜米英許すまじ!

とも思ったし

そもそも何でこんな戦争始めた!

とも思った。

 

でもそうだよなー。

戦争映画ならこういう話しになるよなー。

という感じ。

NHKが作った映画みたいに感じた。

 

ただ呑気に生活をしている間に本土空襲は近付いて来て、

いざ空襲が始まったらそれまでどこか他人事だった戦争が

目の前に立っていて、あっという間に大切な人を、肉体を、優しい世界を奪っていく。

穏やかな心もあっという間に荒んでいく。

という過程を表現しているのは凄い。

はだしのゲンもそうだけど、辛いなぁ。

 

今も中東で同じ事が繰り返されているのを考えると

ホントに人間は滅んだ方が良いと思うよ。

 と、思いつつものうのうと生きてるけど。

 

テアトル新宿で観たのだけど満席で立ち見のお客さんも。

立ち見する程楽しい映画じゃないと思うけどなぁ。

Life Is Strange

ロールプレイングゲームは中学生の頃に

聖剣伝説2をやったきりしていないが

一緒にやろうと言ってくれた人がいたのでやってみた。

ゲームの内容は芸術系の高校に通うマックスが

ひょんな事から時間を巻き戻せる能力を手に入れる。

そして親友クロエと5年ぶりの再会を果たすがクロエの様子は以前と全く変わっていた。

同じ高校の女子生徒の失踪をクロエと追い掛ける内に事件に巻き込まれていく。

という話し。

 

地味で真面目なマックスに対し正反対のクロエが魅力的だった。

向こう見ずでワガママですぐに人に責任を擦り付ける。

でも失踪した友人の為にアツくなったりして。

 

面倒臭い奴なのにどこか放っておけない。

 

思春期の繊細な不安定さとその時期にしか

感じられない新鮮な空気の匂いを画面から感じた。

アンニュイな雰囲気の音楽もそんな年齢にあっている。

製作者は思うにオッサンなのだろうけど

良くこんな雰囲気を作れるな、と思う。

不安定な自分と周囲の人間関係や未来を

持て余した時期は歳を取ると忘れてしまう。

 

何で女子二人が主人公なんだろう、と考えた時

宮崎駿が少年を主人公にしないのは

自身の敗北してきた過去を思い出してしまうから、

という様な事を言っていたけどそれは海外でも同じなのだろうか。

ゲームユーザーは男性が多いから女性キャラに

幻想というか妄想を抱きやすいのだろうとも思う。

 

でも身近にいる実際の思春期中の女子の闘争心と

反発心はクロエの20倍はありそう。

 

自分に自信が無い分他人にも厳しいし、

でも、主人公達が少年キャラの場合はより上下の序列が厳しいし、

暴力的になりすぎてしまうのだろう。

 

製作者は男嫌いなのか?

悪夢のシーンでマックスを探すのが

全員男キャラなのは何故なのだろう。

 

それでも感じの悪い同級生の内面の自信の無さや、

イジメっ子の知られざるプレッシャーが描かれているのは

そのキャラクター達を身近で魅力的にしてくれた。

 

ラストまでプレイして思うのはマックス不憫過ぎるよ。

良い子なのに。

俺はネイサンやビクトリアと同じ様に嫉妬したり

反発したりで同級生をそこまで強く想えないよ。

 

マックスとクロエの関係は誰も傷つかない皆の願望、幻想だと思う。

 

後半の悪夢の中でクロエとの鮮やかな思い出が

マックスの前に現れるけどそこまで想う相手が

いる学生時代を過ごしたかった。

 

でもそれを美しく思うのは皆どこかで

マックスとクロエの様な関係を築きたいと

思っているんだな。

 

あとポンピドゥーって犬の名前、

良いセンスしてる。