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峰不二子という女

ルパン一味がそれぞれ出合う前の話しで、不二子を中心に語られます。
面白いのはルパン、銭形のお茶目さが抑えられてシリアスな雰囲気が少し強いところ。
銭形はマヌケな単細胞ではなく、不二子と身体の関係を持つほどのダーティな雰囲気を醸し、ドジはするが狂言回しの要素がかなり抑えられ、男臭い色気を漂わせています。
その反面、五右衛門は完全にギャグキャラで積極的にボケを連発させられます。女装させられたりトンネルに激突したり・・。

不二子は天真爛漫でルパン、銭形、五右衛門を始め、女さえもその魅力で惹き付けます。
そんな悪魔的魅力を持っている不二子を”タン壺”呼ばわりし、蛇蝎の如く嫌うキャラクターがいます。

それがオスカー警部補。

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貧しい幼少期に1ペンスをイジメっ子達から守るために橋から河に飛び込み銭形に助けられ、それから銭形を慕い部下になる。

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銭形に認められる為に職務遂行しようとするが失敗し、ダメな奴扱いされる日々。
銭形と関係を持った不二子に強烈な嫉妬と敵愾心を抱くその感情は銭形への思慕の裏返しです。

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一途に銭形を想い、空回りと失敗を繰り返すオスカーはどんな人間も虜にし、奔放で欲望に忠実な不二子のアンチテーゼです。
例え銭形の気持ちをオスカー自身に向けさてもオスカーは銭形と結ばれることはないのはオスカーが男だから。
でもこれは不二子の物語。
オスカーは途中退場します。

しかし彼の存在が大きい程不二子が鮮やかに浮き上がります。
不二子を描く為にはアンチテーゼであるオスカーを明確に存在させなくてはならないし、オスカーを描く為には銭形に説得力を持たせなくてはならない。
そしてこの作品はそれに成功。
裏の主人公はオスカーと言えます。

僕は不二子にはなれません。

天真爛漫で、人を引き付ける魅力もない。

ピント外れの五右衛門であったり、不器用なオスカーであったり・・。 そんなキャラクターが、悩み、苦しみ、ドジを踏んでいるから共感しつつ笑いつつ切なさを感じたり出来たのでした。