ジャングルブック

僕がモーグリよりも幼い頃、父が読んでくれたのがジャングルブックだった。

好きだったのは大蛇のカー。

小説ではカーはモーグリを可愛がるお爺ちゃんで、バンダーログの猿達からモーグリを助ける為に大活躍をする。

脱皮をすれば自分の瑞々しく生まれ変わった自分の体を満足気に眺めるナルシストな面も持ちながら、他の動物を捕食する時には催眠術をかけ、その効果は猿だけではなく、バギーラ等も引き込む力を持っている。

長生きで知恵者、肉弾戦だってかなりの強さだ。遺跡の壁だって頭突きでぶち破れる。

そんなジャングルのヌシ的なカーがディズニー版では何故間抜けな敵役になってしまったのか…。

 

他に記憶に残っているのは洞窟の中で宝を守る白いコブラだ。

ジャングルの動物は食べる為だけに命を奪うが人間が遺跡の財宝を巡って殺し会う不思議さをモーグリの視点から語られる。

それこそ少年時代の僕にとっても当時は不思議に思ったりした。

そんな思い出から映画を見に行った。

予告ではカーがディズニー版と同様の敵役だし、原作では若いオオカミ達やモーグリに森の掟を教える教師役のバール―が、だらしないオヤジキャラだし、そこまで期待はしていなかった。

が、結論としては楽しかった。

ディズニー版と原作の良いところが取り入れられ、リアルな描写で可愛かったり怖かったりと観ていて楽しい。

 

コミュニティの中で異質な自己の肯定というのが映画のテーマだと思うが、モーグリが”自分らしさ”で子象を助けるシーンはグッときた。

シーア・カーンはガチで恐いし、テーマも押し付けがましくない。

ただ、吹き替え版で見たので人の声が明瞭過ぎて残念。もののけ姫の猿、猪、オオカミ達のくぐもった声は発明だったのだなぁ。

 

もはや完全に別の歌だけどリトルグリーンモンスターの「君のようになりたい」

は好きだ。

 

 

しかしジョン・ファブロー監督はどんだけスカーレット・ヨハンセンが好きなんだろうか。