映画は自分の祖父を知るためにかつての特攻隊の人を訪ねるというストーリー。
特攻隊の人達が語る回想シーンと現代が交互に描かれていく。
演出過剰をムダと取るかサービス精神と取るか
が好みの分かれるところだと思いました。
かつての戦友の孫をガシッと抱き締めたり、
回想シーンが終わる度に主人公達が感涙していたり
泣かしてやろうという監督の作為が少し鼻に付き
興醒めしてしまう処があります。
ただその分
空のシーンは綺麗だし
雲の美しさ、ドッグファイトも観ていてアツい。
話の全体的な流れは良かったです。
特攻隊を"神風"とは表現せず
"愚かな作戦"とはっきり言わせている処を見ると
戦争賛美とは思えない。
靖国神社に行ったことのない人には良い薬に
なると思いました。
が
靖国神社で特攻隊や戦場で散っていった人達の生の声の方が心に沁みる。
映画の中のキャラクターと岡田准一のキャラクター
の不一致を感じざるを得なかったです。
丁寧な、ですます調で話す岡田君より
「何があっても生きろ!」と叱咤激励している方が彼にはあっている気がする。
かつての教え子達を特攻隊として
目の前で失い続けて心が病んでしまっても
強そうで、好戦的な顔(に見える)だし、
特攻に行っても帰って来そうな生命力の強さを感じてしまう。
興行的には地味で若者集まらなそうだけど。