ベストキッド

久しぶりにベストキッドを見たが想像以上に良い映画だったので感動した。

ダニエルがイジメを受けてカラテをミヤギから学ぶ、というストーリーは覚えていたが、ミヤギが442連隊の元兵士で、兵役中に子を身籠った妻を合併症で妻子共に亡くす経験をしていたのは記憶には無かった。

 

ミヤギがどんな想いでダニエルにカラテを教えていたのか、どんな気持ちであの夜酒を呑んで歌っていたのか考えさせらるシーンこそベストキッドの白眉だと思う。

 

その後にダニエルが海で稽古をするシーンが美しいのは海に光る太陽だけではなくてダニエルがミヤギから受け取った物がカラテの技術の中に愛があったからだろう。

 

また、ダニエルがミヤギがどんな気持ちで自分にカラテを教えているのか、ミヤギの気持ちを慮り、受け止めようとするからこそ、彼が本作の主人公足り得る。

 

音楽も良いタイミングで流れるし今見てもテンポが古くない。

 

空手や格闘技は弱者の為、自分自身のバランスを整える為の物なのだとは自分自身空手や格闘技を学んで来て実感してきた。

弱い自分を少しでも強くする為に、少しでも自信を持てるように。

 

昨今の格闘技はエンタメ職業としての格闘技とである事が主流となっていて自分のバランスを整える為の物である事は後回しにされていると思う。

また、そう考える人も教える人もいない。

80年代の映画であるベストキッドは古き良き武道の在り方について考えるキッカケをくれた。