ジェシカ・ジョーンズSeason1
この様な重めなドラマは苦手なのに最後まで観てしまった。
このドラマの魅力はなんだろうと考えた。
・能力の有無に関わらず支配、被支配の関係がテーマの根底に流れている。
→普遍的な人間の感情だと思う。人は誰でも自分の奴隷が欲しい。
会社でも、親子関係でも、恋愛関係でも薄っすらと隠れているそんな暗い感情を表に引き摺り出して来て、目の前にドンと置かれた時の後ろめたさと清々しさを感じる。
・脇役の設定、感情表現の描き方が深い。
→ヤク中、嫌われ物の住人の悲しみをきちんと描いている。
視聴者はスーパーヒーローでもなく、善行ばかりを施す聖人君子でもなくドラッグに溺れたり、ハリネズミの様に人を傷つける事で自分を守っている人もいる。
そんな人達こそが現実では多数派だからこそ、その感情を繊細に描く事が大きな意味を持つのだと思う。
・とにかく色気の無いジェシカ・ジョーンズ。
→短気でアル中気味で、目付きも愛想も悪いのに正義感が強く人を守ろうとする女性主人公が新鮮。
この面倒くさい陰キャに対する謎の親近感よ。
・ジェシカ・ジョーンズと親友トラッシュのソウルメイト感。
→二人とも共に被支配の経験があり、同世代だからこその友情が尊い。
・キルブレイクのキモさ。
→とは言えこの能力を自分が持ったときに、能力を使えば全て自分の思った通りに出来るのなら皆正義の為にその能力を使えるか?
少なくとも自分はそうしないけど、そんな自分自身のキモさも可視化されてキツい。けど自分の一部だからこそついつい見てしまう。
・オープニングが格好いい。
しかし延々とキルブレイクとジェシカ・ジョーンズの追いかけっこでこのドラマを見せるのは、細かい部分の作り込みがしっかりしているからだよな、と思う。
あと酒が呑みたくなる。