シン・ゴジラ(後編)

 

haruhumi.hatenablog.com

 

 

非常に面白かった。ネタバレしますよ!

 

 
前記事で庵野、樋口ラインは全く期待していない。
と書いたがその予想を大きく裏切ってくれた。
 
前半のゴジラの出現と指揮系統の最終責任者を巡る問答は民主主義の歯痒さをとても上手く描いていた。
待ちに待ったゴジラに対する初攻撃も歯痒い、焦れったいが、
自衛隊の銃を国民に向けることは出来ない」
という言葉の重さよ。
 
「総理って大変だなぁ」という代理総理の一言は深い。
 
官邸前で「ゴジラを殺せ!」と太鼓を叩いてデモをする人達も
内側からはこう見えるのだな。
という新たな視点を持たせてくれた。
 
ゴジラの造形も怖くて良い。
噛み合わせの悪そうな歯も地上を見下ろすつぶらで無機質な目も
破壊神としての恐ろしさが上手く表現されていた。
 
初めて火を吐き、街を焼くシーンの絶望感も
怪獣映画かくあるべしと感じるものだ。
 
ただやっぱり難しいのが「ゴジラ」と名付けるシーン。
もう、最後まで「巨大不明生物」って呼称でも良いんじゃないかな。
って位い気まずい気持ちになる。
 
そして音楽の使い回しももうちょっと何とかならないのか。
またエヴァか…。
 
ミサイルも効かないゴジラに対してあの作戦
口から?!
近づいたらら攻撃されるんじゃないのか。
 
作戦自体もそれこそ自衛隊員は片道切符で荒唐無稽の作戦。
悲しい事に絵面も地味でなんなら間抜けで悲しい。
が、3.11で実際に隊員達がやったのはこの作戦。
そう考えると無下に否定は出来ないが映画の中では
もうちょっと何とかならないのか、と思わずにはいられない。
 
これが日本人の現在の限界、と思うが
同時に現実を上手く反映しているとも言える。
 
それでも3.11があってこそのゴジラ映画としては
リアル過ぎて観ていて楽しいかは置いておいて
民主主義の歯痒さを映画を通して映し、
歴代最恐なゴジラを見られ、同時に国民から見た日本
国際社会の中の日本を映した
怪獣映画の中では最高レベルの作品でした。

 

追記。

 六本木の東宝で2回目をMX4Dを観賞。
3Dではなくてちょっとガッカリ。
イスや水噴射の演出も1回観てるとノイズにしかならなかったです。残念。
ネットで何回も見に行きました!ってたまに見かけるけどその財力、時間が羨ましい。
僕ならそのリソースで他の映画観たいな―。