ちはやふる~上の句~

なんとなく一人で映画見たくなって行ってきました。

序盤の千早(広瀬すず)と真島(野村周平)のドタバタを見ていて

美男美女のイチャイチャ(に見える)が妬ましいけど、そう言えばそういう漫画だった…!

何となく観に行った映画で忘れてたけど僕は「ちはやふる」という漫画

が凄く好きだったのを思い出しました。

原作の現在進行系の時間軸と、主役の3人(千早、真島、新)の幼少時代の過去を行ったり来たりする演出や

部員を集めて練習して強くなっていく過程、それぞれの登場人物の背景の描き方。

自分の仲間だけじゃなくて次々に現る強敵の人間関係や背景の描き方も女性作家らしく丁寧に描いている所が。

漫画読んでいて涙が出てくるってあまりないけれどこの漫画では結構涙してました。

 

映画を見ていてそんな事を段々思い出してきました。

漫画の映画化って観客各々の中にイメージがあるから難しいと思いますが僕は楽しく観れました。忘れていたからかな。

 

西田、机君、カナちゃんのそれぞれのキャラクターも良かったですね。

 

カナちゃん役の上白石萌音さんはメチャ可愛かった・・。

可愛くないのに可愛かった・・・。

これ以上のカナちゃん役はいないんじゃないかって位カナちゃんでした。

 

机君の森永悠希さんも良かったけれど、大会でイジけてしまう所はあの冷静で誰よりも

状況を分析出来る机君がそんなに取り乱したりするかな、と疑問は残るんですけど、まぁ人間だからね・・。

仲間が好きであれば好きであるほど絆を感じていれば感じているからこそあの立場は辛いよね・・。

 

もろともにあはれと思え山桜 花よりほかに知る人もなし

 

このシーンはもう、駒野頑張れ!駒野超頑張れ!って超応援したよね。

キャラクター的には僕自身が駒野に近い人間だから。あんなに賢くないけど。

 

西田役の矢本悠馬さんも良かった。最初芸人の人かな。と思ったけれども違うんですね。

テンポ感が素晴らしい。彼がこの映画を明るくしてくれますよね。コメディアンのセンスあるな、と。

 

こうやって役者の人を見ていると監督が役者自身の本質とキャラクターの性格を結びつけるキャスティングが上手いんだなーと思います。

 

広瀬すずの掴みどころのない天真爛漫さはやっぱり千早の性質と同じなんですよね。

 

 

田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ

とか

このたびは幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに

って原作にあったっけ?

 

原作を忘れてしまったけど伏線の回収も上手かったです。

 

神社のシーンも良かったです。

真島の懺悔の場面。あの時の野村さんの表情は良かった。

自分自身のせいで自分自身を縛ってしまってそれを振りほどこうとしても罪悪感がそれを許さないし自分自身の弱さを許せない。

でも前に進みたいというアクセルとブレーキを同時に踏んでいる表情。

 

真島部長、カッコ悪くてカッコ良いよ…!

 

なんとなく監督が男性だかなのか男子キャラクターの内面を描くのが上手い気がします。

真島の気持ちも駒野の気持ちも身近に感じられる気がしました。

 

そんな訳でちはやふる面白かった。


 

でもカナちゃんが千早に説明する

ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは

の場面のアニメーションで真っ赤になった竜田側は正直血の川に見えてしまった。