シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

正義のために戦っているアベンジャーズ
強大な敵に勝っても一般人の被害者は増えるばかり。
アベンジャーズの中心人物であるアイアンマンは罪の意識から国連の管理下にアベンジャーズを置くことを提案。しかしもう1人の中心人物であるキャプテン・アメリカはかつて組織に裏切られた経験からそれを拒否。
そこにかつてのキャプテン・アメリカの友人がテロを起こした容疑で追われるが…。
 
 
キャプテン・アメリカって暗いなー。
真面目に作っているからこそなんだけど。
僕は鶏頭なので以前キャプテン・アメリカのウィンターソルジャーを見たんですが8割方忘れていたのでもう一度見てから本作を見たんですが正解でした。
 

序盤の敵ラムロウとかメインキャラクターのバーンズ(バッキー)とか見ていないとうろ覚えで楽しめなかったと思います。

f:id:haruhumi:20160514152956j:plain

 (ラムロウさんの不潔感ホント好き。)
 
前作ウィンターソルジャーでは世界を守るべき組織シールズの内部にナチスの継承組織ヒドラが入り込み世界の混乱と不安を煽って人々が自ら"自由"を手放すように画策。
 
今回の争いの元は大きな力を持ってしまったアベンジャーズはより大きな組織の下に入るか否か。
 
真面目。
 
アベンジャーズ国連の管理下に置くべきか否かの議論は結構興味深かったです。
でもウィンターソルジャー復活阻止の為にその議論はうやむやで残念。
もう少し議論を深めてくれたら嬉しかったです。
 
しかしアイアンマンであるトニー・スタークは精神的に大丈夫なのか。
罪の意識とPTSDに苦しめられ伴侶のポッターから距離をおかれ毎回核兵器級のヒーローという怪物と殴りあって…。
キャプテン・アメリカと戦う為に若いヒーローをスカウトしてるけど彼に何かあったらまた自分を責める事になるんやで…。
 
世界を守るべきヒーローでいい大人同士が互いの私怨で殴り合い。
では世界から危険な集団でしかないよ…。
法律は何のためにあるんだよ。

でも今回は敵が賢いですね。
たった一人でアベンジャーを追い込むなんて半端ない策士ぶり。
見習いたい。
 
 
そしてこんなにキャラクターが沢山居ると初見の人は敷居が高くなったりしないのかな。
 
アントマンの笑いなんてアントマン見てないと分からない気がするし、そもそも誰?ってなるし。
ただアントマンはおススメ。真面目なのに笑えるヒーロー映画です。

 

haruhumi.hatenablog.com

 

マーベルコミックのフォロワーって世界的は増えてるのだろうか。
 
 
途中のアベンジャーズ同士の戦いは誰が何のために戦っているのか分からないし…。
アントマンスパイダーマン、弓矢男(名前覚えられない)の大義って何?てなるし。
 
ヒーローは1人だったら世を忍ぶ仮の姿でいいけれど1つのチームになったらその力をどうコントロールするべきなのか。
 
という問いがこの映画の裏テーマだと思うんですが世界でこの問いに答えられている国がない以上アベンジャーズの悩みは解決出来なそうです。

極上爆音映画 マッドマックス

映画が始まった直後にズボンの袖が震える程の音量に驚いた。

平日の午後なのに満員近くの人が入っていました。
映画の開始終了時には小さな拍手も…。
皆アツいんだね…。そのアツさ嫌いじゃないよ。
 
ただ、爆音を感じられたのは中盤位までで、あとは映画に入り込んでましたね。
 
今回この映画を見るのは2回目だけどニュークスと種の婆ちゃんやっぱり泣ける。
洋画はマッチョな主人公が多いけど共感できるのは弱さを抱えている未来の見えないキャラクターなのかな。それが現代の若者だとも思う。
 
ニュークスの一生懸命にもがいて失敗して落ち込んでそれでも自分の死に様に拘る姿勢はカッコ悪くてカッコ良いよ。
 
種の婆ちゃんの良い死に顔も堪らないよね。
 
一生懸命に生きようって元気を貰えます。
 

しかしこの映画館は洒落てました。
椅子の間のランプや一階のカフェも。
周りには公園もあるしデートに丁度いいですね。

ちはやふる~上の句~

なんとなく一人で映画見たくなって行ってきました。

序盤の千早(広瀬すず)と真島(野村周平)のドタバタを見ていて

美男美女のイチャイチャ(に見える)が妬ましいけど、そう言えばそういう漫画だった…!

何となく観に行った映画で忘れてたけど僕は「ちはやふる」という漫画

が凄く好きだったのを思い出しました。

原作の現在進行系の時間軸と、主役の3人(千早、真島、新)の幼少時代の過去を行ったり来たりする演出や

部員を集めて練習して強くなっていく過程、それぞれの登場人物の背景の描き方。

自分の仲間だけじゃなくて次々に現る強敵の人間関係や背景の描き方も女性作家らしく丁寧に描いている所が。

漫画読んでいて涙が出てくるってあまりないけれどこの漫画では結構涙してました。

 

映画を見ていてそんな事を段々思い出してきました。

漫画の映画化って観客各々の中にイメージがあるから難しいと思いますが僕は楽しく観れました。忘れていたからかな。

 

西田、机君、カナちゃんのそれぞれのキャラクターも良かったですね。

 

カナちゃん役の上白石萌音さんはメチャ可愛かった・・。

可愛くないのに可愛かった・・・。

これ以上のカナちゃん役はいないんじゃないかって位カナちゃんでした。

 

机君の森永悠希さんも良かったけれど、大会でイジけてしまう所はあの冷静で誰よりも

状況を分析出来る机君がそんなに取り乱したりするかな、と疑問は残るんですけど、まぁ人間だからね・・。

仲間が好きであれば好きであるほど絆を感じていれば感じているからこそあの立場は辛いよね・・。

 

もろともにあはれと思え山桜 花よりほかに知る人もなし

 

このシーンはもう、駒野頑張れ!駒野超頑張れ!って超応援したよね。

キャラクター的には僕自身が駒野に近い人間だから。あんなに賢くないけど。

 

西田役の矢本悠馬さんも良かった。最初芸人の人かな。と思ったけれども違うんですね。

テンポ感が素晴らしい。彼がこの映画を明るくしてくれますよね。コメディアンのセンスあるな、と。

 

こうやって役者の人を見ていると監督が役者自身の本質とキャラクターの性格を結びつけるキャスティングが上手いんだなーと思います。

 

広瀬すずの掴みどころのない天真爛漫さはやっぱり千早の性質と同じなんですよね。

 

 

田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ

とか

このたびは幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに

って原作にあったっけ?

 

原作を忘れてしまったけど伏線の回収も上手かったです。

 

神社のシーンも良かったです。

真島の懺悔の場面。あの時の野村さんの表情は良かった。

自分自身のせいで自分自身を縛ってしまってそれを振りほどこうとしても罪悪感がそれを許さないし自分自身の弱さを許せない。

でも前に進みたいというアクセルとブレーキを同時に踏んでいる表情。

 

真島部長、カッコ悪くてカッコ良いよ…!

 

なんとなく監督が男性だかなのか男子キャラクターの内面を描くのが上手い気がします。

真島の気持ちも駒野の気持ちも身近に感じられる気がしました。

 

そんな訳でちはやふる面白かった。


 

でもカナちゃんが千早に説明する

ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは

の場面のアニメーションで真っ赤になった竜田側は正直血の川に見えてしまった。

 

 

 

before a midnight

奇跡的な再会を果たした前作から更に9年後。
相変わらずジェシーコミュ力ハンパない。
諦めず、遊び心を忘れない。イケメン過ぎるだろ!

9年間の間に二人は結婚。双子に恵まれてはいるがお互いの価値観のすれ違いは大きくなるばかり、セリーヌが怒りを爆発させても口八丁なジェシーは混ぜっ返して更に二人の距離は広がっていく。

それでも諦めないジェシーはもうちょっと詐欺師じみてる様にも思えてしまう。

こっちは相手の話しを遮ったり、その気はないのに抑えつけようとしてたり、ふざけたつもりで相手を傷付けていたり、そしてそれに気付かなかったり、ヤケクソになって1人で心を閉ざしたり、そんな自分が嫌になっちゃったりしてるのに。

もうあんだけ相手の女性が怒り心頭なら追いかけたくなくなるし、そこまで怒らせた自分に自信がなくなって途方に暮れて何も出来なくなりそう。

でも同じ事を相手も思ってて、日本以外の国の人達も同じ様な悩み事を同じ様に悩んでる。

運命と信じた二人が結ばれてそして離れて行くような、前作よりも苦味のある作品。

夫婦とは、愛とは、人生とは…5年後、10年後と見直したら感想がその度に変わるのは間違いない作品でした。

before a sunset

そこで終わり!?

シリーズであるという事を知ってとりあえず見てみよう、とDVDを借りました。

この駅で会おう、と約束した二人は結局会えずに9年が経つ。あるキッカケで二人は再開するが、男は結婚して子供がいた。
しかし二人はお互いの事をずっと忘れていなかった。
未練がましい奴等だ!なんて未練がましい僕には言えない。9年前に一回あった女性を引きずりながら結婚生活を送る男の人生。
出会いを逃し続けて男性不信になりかけている女。
い、痛い。だからこそ共感できた。

9年ぶりでもジェシーの口達者ぶりは健在で、若干病んでいるもののセリーヌは美しい。
時間の経過が二人を初めて会った時から変えつつある、というのもリアルだった。

劇中でセリーヌが言う
「初めて会った頃の希望と明るさがもう無いことが悲しい。」
という台詞もビターだ。

SMAPライオンハート的世界観。
前作よりも苦くて甘い味がします。

年代的にも前作よりも共感出来ました。

before a sunrise

どんだけロマンス有り余ってんだ。

旅行先で出会った男が女をナンパしたら結構ウマくいって話してたらドンドンお互いを好きになって、また此処で会おう。
と約束したところで終わる。

まず旅先でナンパしてウマくいく可能性がハードル高い。
そして話していたらお互いの会話が噛み合うというのもハードルが高い。

この男は彼女に会うまで何回ナンパを繰り返していたんだろう。と思う。

それなりにモテてきた人生じゃなければ全く知らない旅先でナンパし、知らない街並みを歩くのはかなり難しい。

恐ろしい程の胆力とコミュ力がないとこんな行動は取れない。

彼女のほうも同じ事が言え、男が変な行動を取っても捌ける自信、そんな事をする様な男ではないと見抜く洞察力、さらに恋愛関係に持ち込める女子力というか自己陶酔力、がないとこの物語は盛り上がらない。

つまりこの二人は相当な恋愛力の持ち主だ。
正直言って羨ましい。

デートの度に話題を考え、思い浮かばず会話に詰まり、女の話しを聞くことに徹するんだ、というアドバイスに従って聞くことに徹しても、もう聞くことがない!彼女はツマらなそうな顔をしている…!心の中で出川哲朗がヤバいよ!ヤバいよ!と警報を鳴らし立ちすくむ俺…というのを繰り返してきた僕としては、好きになった女性に、トキメかない…とフラれた僕としては爆発しろ!と心の中で叫ぶことすら出来ず、…世界が違う…。とうなだれる事しか出来ない映画でした。

百円の恋 戦う「もこっち32才」

一子は32才のニート

実家の肉屋では旦那と別れて出戻った妹と仲が悪い。
だけど彼女は実は人一倍乙女な心を持っている。
アタシはもう女捨ててんだよ。なんてウソぶくも、妹から「女捨てられないからそんななんだろ!」
と鋭いツッコミを入れられる。
 
色々と拗らせて、そんな自分も周りの世界も嫌い。
彼女の姿は32才になった「もこっち」です。
リアルで痛すぎますが、現代人は皆、大なり小なり「もこっち」です。

f:id:haruhumi:20160207213516p:plain

 
実家を逃げる様に出て1人暮らしを始め生活費を稼ぐ為に始めた100円ショップの帰り道ボクシングジムでトレーニングする狩野に一目惚れ。
そしてあるキッカケでボクシングを始める。
全くの素人から始めてシャドーボクシング、フットワークがどんどん巧くなっていく「もこっち」もとい安藤さくらが素晴らしい。
 
序盤のニート生活をしている時はBGMにブルースが流れています。
それがニート生活に合っているのだけどボクシングが上達するとブルースからロックに変わり、
100円ショップでシャドーボクシングをするシーンはかなりの胸アツ。
 
駄目な主人公が打ち込めるスポーツに出会い、上達していくのはスポーツ映画の定石だが、説得力のあるフットワークが仕上がっている。
 
戦う「もこっち32才」を見たい人。
駄目な自分が嫌いな人。
 
必見です。